ダイバーシティ経営が生むイノベーション
~障がい者雇用への取組み事例から学ぶ~
去る、令和3年12月10日(金)徳島県内の企業・団体、及び福祉支援団体の方々と「障がい者の就労支援と居場所づくり」について情報共有し、障がい者雇用・ダイバーシティ経営について理解を深めることを目的としたオンラインセミナーを約30名に参加いただき開催しました。
今回は、そのオンラインセミナーの事後レポートを紹介させていただくのですが、
まずは今回の根幹となるテーマ、“ダイバーシティ”についておさらいします。
ダイバーシティ
日本語で「多様性」と訳され、この「多様性」には性別、年齢、人種や国籍、障がいの有無、性的指向、宗教・信条、価値観などだけでなく、キャリアや経験、働き方などの多様性も含みます。
そして、「ダイバーシティ(多様性)」な人材を生かし、その能力を最大限に発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげる企業マネジメントのアプローチ手法のことを
“ダイバーシティ経営”と言います
障がい者の就労支援と居場所づくりについて考える
『ダイバーシティとくしま実装事業2021』で第一回目のテーマとなったのが、障がい者の就労支援と居場所づくり。
まずは、主催である徳島県ダイバーシティ推進課からの挨拶、つづいて徳島県障がい福祉課、労働雇用戦略課から徳島県の障がい者の雇用・就労状況についての説明からはじまりました。
そして、ゲストスピーカーの登壇。
お話いただいたゲストスピーカーは
就労継続支援A型『mogu』 施設長・森本博通さん
『徳島ランドリー』代表取締役社長・寺田敏行さん
『ナイスリフォーム』専務取締役・湯浅真一郎さん
トップバッターは就労継続支援A型『mogu』 施設長・森本博通さん

森本博通[もりもと ひろみち]さん
森本博通さんにはしいたけの収穫やパック詰めなどについて。また、新しい事業としての取り組みも考えている、しいたけの収穫が終わった廃菌床を使ったカブトムシの飼育、販売等の商品化を進めている事業や、障がい者雇用の現状と課題についてお話いただきました。
さらに、実際『mogu』で就労されている2名のスタッフさんにも登壇いただき、ご自身の経験や想い、これからの障がい者の就労について求めることなどを語っていただきました。
つづいては、『ナイスリフォーム』専務取締役・湯浅真一郎さん

湯浅真一郎[ゆあさ しんいちろう]さん
『株式会社ナイスリフォーム』では、以前は営業担当者が行っていた分譲地や物件の草むしりなどの作業を、昨年から就労継続支援B型施設『キラニコ☆ベース』に発注。障がい者に行ってもらうことにより、営業担当者の負担が軽減され、障がい者の就労支援にも繋がっている事例の紹介をはじめ、依頼する仕事内容について依頼する側と支援施設や就労スタッフの間で“なにを、どこまで、どのように、いつまでに”やってほしいのかを共有することの必要性についてお話いただきました。
さいごは、『徳島ランドリー』代表取締役社長・寺田敏行さん

寺田敏行[てらだ としゆき]さん
『徳島ランドリー』では、30年以上前から障がい者を積極的に雇用していて、代表取締役社長の寺田氏は、徳島県中小企業家同友会の障がい者問題委員会委員長も務めている立場から、県内の中小企業へ向けて、障がいがある人の就労支援と職場定着の推進について語っていただきました。
サポートいただいたのはこのお二人
ファシリテーター
大阪成蹊大学 経営学部 経営学科 公共政策コース 准教授・佐野 淳也さん
ミーティングの進行、参加者の議論や発表が円滑に取り行われるようにサポートいただきました。

1971年、徳島市生まれ。
法政大学大学院公共政策研究科博士後期課程満期退学、博士(ソーシャル・イノベーション)
阪神淡路大震災での被災地支援NPO、国際環境NGOスタッフ、東京学芸大学環境学習研究員、
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科准教授、徳島大学地域創生センター助教、
同志社大学政策学部准教授など経て現在に至る。
グラフィックレコーダー・さのはるかさん
オンラインミーティングの対話内容は、グラフィックレコーディングにより、イラストと文字で記録。情報を整理し、可視化していただきました。

イラストで通訳するグラフィッカー。
会議やワークショップなどの、対話や議論を絵と文字で可視化する「グラフィックレコーディング」を行う。
USANET合同会社 代表




グループワークを実施し、参加者が意見を交換
ゲストスピーカーによる講演終了後に、運営、ゲストスピーカー、参加者が5つのグループに分かれてグループワークを行いました。
グループワークのテーマは2つ
●「障がいがある方の就労支援と居場所づくり 」を通して、実現したい未来はどんな姿ですか?
●実現したい未来に向けて乗り越えたい課題は何ですか?
この2つのテーマについて、『jamboard』というツールを用いて、付箋ミーティングの要領で、参加者が各々の立場や経験を踏まえて活発に意見を交換し、チームごとに発表を行いました。

最後は参加者揃って記念写真!!

ダイバーシティ経営は社会貢献ではなく、企業経営にとって有益な選択であること。みんなが笑顔で幸せに暮らせる社会を作ろう!
今回のオンラインミーティングに運営の一人として参加し、改めて自分自身が知らなかったこと、知っておかなければならないこと、伝えなければいけないことを再認識することができました。
みなさんにも、『知ること』から一緒にはじめませんか?
次回は、令和4年1月28日(金)14:00~16:30の予定で
『外国人の就労支援と多文化共生の推進』オンラインミーティングを開催します。
ご興味ある方はぜひ!
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