どうも、あわわ編集部のまっつんです。
皆さん年末の過ごし方そろそろ決まりましたか?
おいしいごちそうを食べるのもいいですし、こたつに入りながらゆっくり家族との会話を楽しむのでもいいですよね。
ちなみに我が家では、年末になると毎年決まってある話題について話し合います。
その内容は、どこに初詣に訪れるかです。
毎年決まった場所に訪れる人の方が多いと思うんですが、うちの夫婦はその年祈願したいことや一緒に訪れる人たち、話題性などを基準に選んでいて毎年初詣の場所が決まっていません。
というわけで、今年もいろいろリサーチをかけていたわけなのですが、そんななかで『徳島県護国神社』に大きなトラの絵馬が奉納されるという情報をキャッチしました!
偶然にもつい先日、トラのイラストが表紙のメインを飾る『あわわ』を送り出した自分としては、ぜひ一度拝んでおきたいところ。
というわけで、早速行ってみましょう
大迫力のトラの大絵馬

『徳島県護国神社』は徳島市雑賀町にあります。
護国という言葉のとおり、こちらでは国を守るために戦った人々を祀っている神社です。

また、それと同時に各種祈願も行っており、お正月は家内安全、交通安全、商売繁盛などを願って毎年多くの初詣客でにぎわっているそうです。
そんな神社の拝殿のそばに早速見つけました。

こちらが今回奉納された大絵馬です。
その大きさは、縦2.2メートル、横3.6メートル。
2022年の干支であるトラが屏風の中から今にも飛び出してきそうな、すさまじい迫力を感じます。

この絵馬の制作者は、徳島県内の中学校で美術教師として働いている坂本和生さん。
実は、2020年から干支をテーマにした絵馬をボランティアで毎年描いているそうで、今回の絵はねずみ、うしに続く3作目になるとのこと。
早速詳しくお話を聞いてみましょう!

見事な絵馬ですが、制作期間はどれくらいだったのですか?
アイデアじたいは実は1年くらい前から考えはじめていて、描きはじめたのは2021年の10月中旬頃からです。仕事が終わってから毎晩コツコツ筆を進めていました。


絵馬制作に至る経緯を教えてください。
『徳島県護国神社』さんとはお付き合いがあり、それで依頼をいただきました。実は普段学校で美術を教えてはいるのですが、理由があって個人的な作品づくりはしばらく行っていなかったんです。ただ「参拝客の皆さんに楽しんでいただきたいという」という想いに心打たれ、この絵馬だけは3年描き続けています。

幼いころから芸術に興味をもち、高校生のときに本格的に絵を描きはじめたという坂本さん。大学時代は油絵を学び、卒業後も仕事の合間に作品を描きコンクールに出展されていたそうです。
しかしあるとき、大きな壁が!
「自分は賞を獲得するために作品づくりをしているのではないか」
「もしそうだとしたら、それは純粋な芸術作品ではなく、人の心を動かすことはできないのでは」
そう考えるようになってから、自分の技術を後進を導くことに絞って使うようになったんだそうです。
ただ、今回の依頼は、「参拝客に楽しんでもらいたい」という純粋なもの。
「自分の絵が誰かの力になるかもしれない」と、一切見返り無しという条件で絵馬の制作が決まったのでした。
今回のトラの大絵馬に込められた想い
屏風にトラというと真っ先に一休さんのとんち話が思い浮かびますが、まさにそこから着想をえたそうです。ただ今回の作品にはそれ以外も様々な想いが込められていて、そちらもお伝えできればと思います。

まず、屏風から飛び出すトラは、人々の願いを絵にかいた餅ではなく、実現化するという強い信念の象徴として描かれています。

中央の竹は成長が早く、まっすぐ伸びてかつ丈夫なことから「生命力」「成長」の意味を持たせて。
そして竹が2本境界のような役割を担っている構図は、浮世絵師・葛飾北斎の作品からイメージを受けたもの。かつ2021年に海の向こうで明るい話題を届けた大谷翔平選手の2刀流も取り入れたとか。
またその2本をそれぞれ刃のようにしならせて描くことで、魔を破り悪疫退散につながるようにとの想いも込められています。
描かれている屏風の構図にも意味があり、新型コロナウイルスによる猛威が打出の小槌を描いた屏風によって遮られるイメージだそう。小槌には縁起の良い松竹梅が描かれていて、それが波に乗る様子でその先の繁栄と招福を祈願しています。
明るい未来を願う、トラの大絵馬!
お正月はもちろん、約半年間はこの場所で拝めるそうなので。
ぜひ一度ご覧になってみてはいかが?