
徳島市の街中で気軽に特別気分を味わえる『ひょうたん島クルーズ』。

昨年は、スマホで当日予約できる配船システムが導入され、夏場限定で"水上タクシー”として運航されました。
魅力的に感じたのは、両国橋ボードハウス以外の船着き場でも乗降できるところ。
普段の運航時に乗るひょうたん島クルーズも十二分に楽しいけれども、万代町の倉庫街で降りてお買い物をしたり、イオンモールに寄れたりと、よりエンジョイできるのです。

昨年の取材では『徳島県立阿波十郎兵衛屋敷前』の乗り場から乗船させてもらいました。

最初は細い水路をゆるやかに進んでいくのですが、前方に見えてくる小さなトンネルをくぐると吉野川にでます。

穏やかな中州と違って感覚的には海のようで、あまりの広大さに感動します。
↓吉野川横断中の動画(※音なし)
水しぶきを上げて爆走するところや、大きな橋を真下からの見上げられるところなど、まるでアトラクションに乗っているかのような大迫力。

また、川から眺める徳島の街の景色にはエモーショナルな気分になりました。小型船舶と町のシンボル・眉山を望める県庁前や、商業施設・おしゃれな店が集う倉庫街付近のにぎわい……時折、川に沿った公園から散歩中の人が手を振ってくれることも。


ユーモアのあるベテラン運転手さんが「あそこらは窓から釣り糸垂らして魚獲んよる」や、「そこ見て。エイが泳いどるよ」と、毎日船に乗るからこそ知りえる情報をぽろっと話してくれたりするのもおもしろいです。

その水上タクシーが、この春から再び運航されます。
しかも営業期間拡大や新ルートの開設する等、パワーアップして。
◆営業期間は4月末からスタート
今年の営業期間は、4/29(金・祝)~10/16(日)間です。
昨年より3ヵ月早く運航開始されます。
◆北島町まで行けるルートが開設
船着き場が1カ所増えました!今切川沿いにある『北島町水辺交流プラザ』です。
周辺には、なると金時のアート菓子を作る『なかのファーム』をはじめ、オリジナル時計を作れる『テーブル工房kiki』、アイスクリーム屋さんの『Natura』がありますよ。

▼▼船着き場・料金一覧※()は中学生以下の料金
●片道500円(300円)エリア
両国橋ボードハウス
あわぎんホール前
寂聴浅橋
県庁前
万代中央ふ頭
イオンモール徳島前(南末広浅橋)
マリンピア沖洲前
アスティとくしま
●片道1,000円(500円)エリア
阿波十郎兵衛屋敷前
●片道2,000円(1,000円)エリア
北島水辺交流プラザ
※乗り場は今後も増設予定
◆自転車と一緒に乗船可能
乗船予約と同時にWEB予約でき、3台までは無料。
クルーズでの遊覧とサイクリングをセットにして徳島観光を思う存分楽しむのもいいですね。普段の移動手段としても活用しやすくなりました。

海に近いところを走行するため、運航できるかどうかは潮の満ち引きや天候次第ですが、それもご愛嬌。
ちなみに運行状況は、ホームページやSNSで運行状況を随時発信されています。
運営実現にはこんな思いがありました
この水上タクシーを提案し、実現に結び付けたのは『徳島県立阿波十郎兵衛屋敷』の館長・佐藤憲治さんです。

徳島の街は、藍をはじめとする農業、水産資源、水運など川の恵みを受けて繁栄した“水の都”。
その豊かさの上に人形浄瑠璃や阿波おどりなどの文化も発展したのだと教えてくれました。
中でも水都・徳島のシンボルと親しまれている新町川。今はきれいな川と感じられますが、高度経済成長期は工場排水や家庭排水の流入により汚染されていたこともあったそう・・・。それを美しい川に戻し、守ってきたのがひょうたん島クルーズを運航する『NPO法人 新町川を守る会』。理事長の中村英雄さんが中心となって、30年以上欠かさず川の清掃や花植えを行われています。


「新町川を守る会が行ってきたことを後世に継承し、徳島の人が徳島で生まれ育ったことを誇りに思える町にしたい」と、目じりを下げる佐藤館長。徳島の自然の豊かさ、文化の豊かさ、地域の人たちが守り続けたきたこと・・・これらを生かしたいのだと語ってくれました。
ぜひ、この機会に“水都とくしま”を楽しんでみてください。