《まとめ》なんと100年以上!愛され続けた古民家の今① カフェ&レストラン編

《まとめ》なんと100年以上!愛され続けた古民家の今① カフェ&レストラン編

情報掲載日:


徳島県内には、築100年以上の建物も多く年季の入った柱や梁など、当時のまま
残されている部分がたくさんあります。

一体どんな歴史があって、どのように愛されてきたのでしょうか。知ってみると、より楽しめるかもしれませんよ♪

長い時間が作り出す、懐かしくて愛おしい空間をゆっくり味わいにいきませんか。

 

これは見出しです。

di cafe(ディ・カフェ)/小松島市

築102年/大正7年古民家
地域で守ってきた土壁の息吹を感じる空間

どんな古民家?
国の登録有形文化財に指定されている『大正館』。こちらは建てられた大正7年から商家として活躍してきました。その歴史を裏付けるように、扉には「塩小売店」や「医薬品品目限定登録業者」と書かれた札が残っており、102年もの間この場所でさまざまな人が商いをしていたことが分かります。建物に不具合が生じたら地域の人々で補修工事をして守ってきたからこそ、住民にとっても大切な場所でもあります。

 

こちらでインドネシア人の夫と共に『dicafe』を営む井本さんは子育てを機に徳島へUターン。カフェができる古民家を探し求めて、県内のあらゆるところを回ったそう。しかし、なかなか条件に合う物件が見つからず、困った末に相談した友人から『大正館』を紹介されました。

 


井本さんが一目ぼれしたという土壁と傾き加減。傾いた右側は、小松島海岸で拾った流木で支えている。

「入った瞬間、この家の〝ボロさ〞に一目ぼれしてしまったんです。傾いている柱も、強くほじると崩れてしまいそうな土壁も、すべてに愛おしさを感じます」。井本さんも『大正館』を愛する一員。井本さんがカフェを始める際には、きれいに掃除するだけにとどめて、できる限り前の姿を残した状態でカフェをオープンさせました。


カーテンの奥にはキッズルームとしても使える部屋が。子ども連れでもゆっくり過ごせます。

力を込めて扉を開け、一歩入った瞬間に感じるのは〝歴史が紡いだ空気感〞。これまで多くの人が携わったからこそ、醸し出せる味わいなのだろう。あちらこちらに見受けられる修繕の痕跡こそが、この場所のアイデンティティー。ほとんど改装せずに店を営むというのは、なかなか大変だそうだ。それでもこの場所が大好きなのだと語ります。


[テンペのココナッツカレー](1,000円)は別皿のサンバル(インドネシアのチリソース)で辛さを調節して。

手入れをすると建物としての命がよみがえる。手間はかかるが愛着がわく。そういうところを魅力に感じているとのこと。

「ここを訪れた人たちが気持ちよく過ごしてもらえるよう、補強したり、古い建具を再利用したりするなど少しずつ手を加えています。でもこの空気感は壊さず大切にしたいんです。この場所を守っていきたい、そう決めましたから」。そこは確かに、家が紡いできた歴史を感じる空間だった。


▲『dicafe』を営む井本さん。「これから裏庭のスペースも、もっと作りこみたいんです」。

《データ》
di cafe(ディ・カフェ
Tel.080-6281-4317、080-8639-8390
小松島市小松島町外開7-11(大正館)
営/11:30~21:00(金曜は17:00~)
休/不定休
席/20席
P/ 10台
フリーWi-Fi
●カード不可
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茶房 たにひょう/海部郡美波町

築152年/明治元年の古民家
見上げた先の梁や柱は谷家の歴史を物語る

どんな古民家?
谷家は150年以上前から日和佐地区の海鮮問屋として繁栄し、多くの土地を所有していた。しかし戦後、GHQによる農地改革で多くの土地を失うことに。ここで一念発起したのが現当主(光子さんの夫)の姉2人で、その当時、日和佐地区にはなかった洋食専門店『レストランたにひょう』をオープンしたそう。

 

「実家が福島県で、ずっと関東で働いていたの。徳島県に縁もゆかりもないけれど、どうしてもこの家を守っていきたいって強く思ったのよね」。まるで大切な人を慈しむような眼差しで語るのは店主・光子さん。この家屋に出会ったのは、谷家へ嫁入りするときでした。

一目見たときからこの家屋が醸し出すオーラに心をつかまれたそうたです。


天井の梁に打ち付けられた棟板。見つけづらいところにあるので、よく目を凝らして。

2番目の姉が店長として長年家を守ってきていて、光子さんは盆の帰省時に店を手伝っていたそうだ。2番目の姉が亡くなったことで大きな転機が訪れたとのこと。

「これだけ立派な家を取り壊すなんてことはしたくなかった。喫茶店をやろうと思って歳で調理師免許を取ったのよ」。それほどまでに光子さんの決意は固かった。


入口を入ってすぐ、天井を仰いでみると谷家を支えてきた立派な梁と柱が。いろりを使っていた時代の名残もあるようで、煙で燻されて黒ずんでいるところに歴史とロマンを感じる。

喫茶店をするにあたってレストラン時代の内装をリノベーションし、家屋は昔の姿を取り戻しました。工事で天井を抜いたときに見つけた梁に打ち付けられた古い棟板。そこに書かれていたのはこの家屋が建てられた年で、この時に初めて築年数が判明したそう。


▲事前予約必須の座敷にある欄間には鳥のデザインが。華奢な線と丸みのある鳥がかわいらしい。

その時代を生きた住人が少しずつ手を加え、補修した店内。150年以上家を支え続ける梁は両手で抱えきれないほど太く、頑丈で幾度の台風や2度の大きな地震にも耐え抜いてきました。

柱にはガイシ引き配線、その昔に谷家が営んでいたであろう農園や海産物加工のラベルも飾られていました。


▲座敷の縁側に飾られている吊灯篭も情緒たっぷり。風鈴や裏庭も素敵なのでのぞいてみて。

 

 


▲オムライスのような[スパイシー焼きめし(]770円)。写真はサラダやデザートなども付いた[ランチセット(]1,100円)。

予約をすると店内から少し離れた奥の座敷で料理をいただくこともできる。そこから見えるのは中庭と昭和の改装時から受け継いできた障子やガラス戸。縁側にぶら下がる風鈴や吊灯篭、欄間のデザインもレトロ可愛い。谷家が守り続けてきたからこそ残るこの空間を、あと何年見ることができるのだろうか。


▲裏庭が見渡せる座敷は5日前までの予約が必要で[お任せ料理]がゆっくり楽しめる。昼2,200円、夕3,300円。

《データ》
茶房たにひょう
Tel.0884-77-0006
海部郡美波町奥河内字本村152-1
営/11:00~16:00(15:00LO)
休/日・月曜(ほか臨休あり)
席/16席(奥座敷有※5日前までの要予約)
P/ 6台
●カード不可

 

これは見出しです。

 

YusanPizza(ユサンピザ)/名西郡神山町

築およそ100年/大正後期の古民家
飽きるほど見上げたい味わい深い杉皮の天井


在来種の野菜や小麦など、神山町でとれた厳選素材で作ったピッツァは絶品。予約はお早めに。

本州から来るとなると、決してアクセスが良いとは言えない神山町にあるにもかかわらず、関西圏からの客も絶えない人気ピザ専門店。客間としているのは広々とした一室なのだが、少々ユニークな造りです。

正方形の座敷のスペースの三辺に、窓際のスペース、テーブル席のスペース、調理場のスペースがくっついているように存在しています。


▲素朴な風合いが魅力の杉皮の天井。家主が木材関係の仕事をしていたらしく、立派な神山杉をぜいたくに使用しているため、時代が進んでもなお魅力を増す見事なテクスチャ―。

「座敷のスペースは納屋だったようで、その後、民家として使いたくて増築したみたいです」と店主の塩田さん。

100年以上確実に時を経ているのは中央の座敷スペース。古民家好きならぜひこの場所に腰を下ろして見上げるのがオススメ。年季の入った杉の皮が敷き詰められいる珍しい天井板が見られます。元は整然と並んで配置されていたのかもしれませんが、多少朽ちて不ぞろいに感じる様がおもしろい。


[徳島産新玉ねぎと3種のチーズのピッツァ]は1,580円。醸したしょうゆが香り高い一品。

「僕は大阪出身なのですが、関西の古民家でも杉皮の天井は出会ったことがない。ずっと見ていたくなるような風情がありますよね」と塩田さん。

ワラが入ったままの土壁やヴィンテージ感のある窓の木枠など、全体的に手を入れすぎてないナチュラル感。寝転びたくなるような空間の心地よさにつながっています。


▲ピザ釜は改修時の廃材となった土壁を主に使っていると塩田さんが教えてくれました。

《データ》
YusanPizza(ユサンピザ)
Tel.050-2024-4927
名西郡神山町神領字西青井夫359-1
営/11:30~15:30(14:00LO)※完全予約制
休/日曜(ほか臨休あり)
席/22席
P/ 7台
Facebookは「Yusan Pizza」で検索
●カード不可
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カフェ&カルチャークレヨン/三好市三野町

築およそ100年/大正後期の古民家
移築を経てもう一度人を迎える場所に


▲芝生の河川敷にいくつかあった宿屋のうちの1棟だろう、ということだ。

子ども連れにうれしいカフェの建物は店主・藤田さんの夫の祖父母の家でしたが、実ははじめからこの場所に建っていたわけではありません。同じ三野町の芝生という地域から移築してきたものです。

芝生には吉野川に面したエリアがあり、渡し舟の乗り場があったそう。移築前はその河川敷に建っており、船でやってきた商人や漁師たちが宴会をしたり、宿泊したりする場所だったとのこと。

そんなこの家の立派な瓦屋根を祖父母が気に入り、およそ40年前に自宅として買い取りました。柱の上のほうを見ると、片仮名と漢数字が黒字でたくさん書かれている部分がたくさあります。恐らく、移築時に書かれたものた。

 


▲柱に残る、移築時の名残。どことどこを組み合わせるか、という目印だろうか

二人が亡くなってからは空き家となっていたのだが、「建物は使うことでこそ生きる」と藤田さんがカフェをスタートさせることに。

外観だけでなく、店内も梁や天井、土壁、床の間と、ほとんど手を加えておらず、昔のままの姿を残しました。座敷へ入るすりガラスの戸を開けると、キュルキュルと音を立てるのも味わい深い。


▲[日替わりランチ]は1,470円~(税抜)。いろんな料理を少しずつ食べられるのがうれしい。

「人を迎えるのがこの建物の使命なのかもしれませんね」と藤田さん。一世紀以上前から人を迎え入れてきた建物は、長い時を経てその使命を取り戻しました。今後は階も活用していくそう。


▲経年劣化した天井や梁は、威厳のある濃い色に。店内に飾られている、70年ほど前にやってきた旅人が泊めてくれたお礼に残したという木に書かれた書(とても達筆)も探してみて。

《データ》
カフェ&カルチャークレヨン
Tel.0883-77-2804
三好市三野町太刀野山301-35
営/11:00~18:00(17:00LO)
休/不定休
席/24席
P/ 20台
●カード不可
●フリーWi-Fi


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※この記事は、2020年GEEN4月号で掲載した内容です。

 

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