《まとめ⑫》「徳島の今を語る」～取材で見つけた「好きな徳島」②～

取材で県西部へ行くことが多く、井川池田ICを降りてからの国道192 号線～国道32 号線のあたりをよく走ります。ある時は朝の6 時に祖谷の山の中の温泉へ向かったり（午前3 時起き、4 時出発）、またある時は前が見えないほど雨が降る中をビビりながら鈍行で走ったり。降りるICを間違えて愛媛県までいったり、お茶の収穫に密着したりといろんなシチュエーションがありましたが、県西部の壮大な自然にはいつも感嘆するばかりです。特に山々の間を川が流れる景色は息を飲むほど美しい。眺めが素晴らしいお店もたくさんあって、おいしいもの＋絶景の組み合わせは幸せですね。でも一番記憶に残っているのは、早朝の山中で出会った鹿。かわいかったなあ。

TSVとは、徳島ヴォルティスが練習している徳島スポーツヴィレッジ（板野町）の略称です。Geen 創刊から今日まで、同時期の自分を振り返ると大半の思い出はそこにあります。平日TSV からの週末スタジアム。このセットが日常となり、監督や選手と交わす会話は、家族や友人との頻度を上回り始めたかも。取材先は、言わば職場。しかしながら、もはや好き嫌いの範疇ではありません。何歳になっても「今日は何が起きるかな？」と冒険心を掻き立てられる場所になりました。きっと僕は、明日もそこにいることでしょう。

取材のため海陽町を訪れることがしばしばあります。同町でも宍喰地区はほとんど高知県のようなもので、市内から車で2時間弱。ここにたどり着くまでがすでに小旅行気分なのですが（道中はカラオケ三昧）、今回は海側の宍喰浦から山中にある久尾集落を目指して、山道を進みます。“宍喰の終着点”と呼ばれている久尾の総代の取材が目的。道路自体は割ときれいに舗装されているんですが、細いし曲がりくねっているし、ところどころガードレールがない。対向車来たらどこでかわすの…と、向こうから車が来ないことを祈りながら進んでいくと、突然現れた年期の入ったトンネル。思わずシャッター切りました。なんだか異世界の入り口みたいで、一度入ったら戻れなさそうな雰囲気。無事に戻ってこれてよかったです（笑）。

ライターという職業は、取材前の予習と最新情報の仕入れ＆精査がめちゃくちゃ大切。ただ、仕入れた情報先すべてを訪れるには時間と腹が足りないわけです。そんな時に重宝しているのが飯好きのインスタアカウント様。中でも「＠masahiko_white_boots」さんは投稿量が多い。その理由を聞けば、一日に最大4件ほどランチをハシゴするといううらやましい胃袋の持ち主で、若者向けから玄人向け、僕が気になっている最新店には必ず訪れているという神の域に達したフットワークも持っている。誰よりもライター向き。（株）あわわさん、スカウトした方がよろしいのでは？