鳴門海峡の渦のまち・鳴門市の西部に位置する大麻町。
古社寺が点在する、古くから信仰の聖地であり、お接待で培われた人情味が溢れる町です。
そんな大麻町には、大谷焼をはじめとした、
さまざまな体験施設が並んでいます。どれも、大麻町でしか楽しめないものばかり。
そんな大麻町の体験施設を徹底取材します。 |
フランスの一流トップソムリエがフランス人のために日本酒を選ぶコンクール
『Kura Master 2019』で、上位5品に贈られるプラチナ賞を獲得した
『ナルトタイ 純米原酒 水ト米』。
そんな銘酒を生み出す酒蔵が大麻町にあることは、もちろん知ってますよね!
その名も本家松浦酒造。
と、いうわけで今回は酒蔵へ行ってみましょう。
見学してくれるのはこちら!

阿波大谷駅からこんにちは!

現役大学生の仲良し3人組。3人ともお酒が大好き!
はじめての酒蔵見学なので、今日はめちゃめちゃ楽しみです!
そろそろ日本酒のおいしさを学びたいと思っていました!
お酒の試飲も楽しめるように、バッチリ汽車で来ましたよ。
そう!宮本くんが言うように大麻町へは汽車で訪れるのもおすすめ。
徳島駅から約30分、のんびり汽車旅というのもオツなものです。
阿波大谷駅から本家松浦酒造までは徒歩で5分、
そのほかの施設も徒歩で余裕でまわれるのが大麻町のいいところ。
そんなこんなで歩いていると・・・

樽酒発見!!

本家松浦酒造さん到着!

迎えてくれたのは、本家松浦酒造の直売所『ナルトタイの店』店長・若林文与さん。
リゾートホテル日本料理部門のマネージャを経て本家松浦酒造に入社。
蔵元と交流しながら地酒に親しめるイベント『蔵蔵たちきゅう』を企画・開催したり、
日本酒の美味しさや魅力をわかりやすくご紹介する『酒の寺子屋』を行うなど、新しい感覚で日本酒の普及に力を注いでいます。
本家松浦酒造へようこそ。本日は、普段あまり入ることのない酒蔵を見学していただきます。3人ともお酒好きと聞いていますので、弊社の試飲も楽しんでください。
やったー!昨日もがっつり飲んでましたし、準備は万端です(笑)

お酒の話となると真剣になる3人。
本家松浦酒造の歴史をお話させていただきますと、文化元年(1804年)に二代目松浦直蔵由往によって創業されました。創始者である直蔵の先代は、酒造りだけでなく運送船、肥料、藍なども扱っていたのですが、息子である直蔵が改めて酒蔵を始めたのが発祥です。
創業200年以上!? 江戸時代から続いているなんて、凄すぎる・・・。
そんな松浦ですが、長崎・平戸・五島を根城にしていた“海賊”がもともとのご先祖さまなんです。
まあ海賊と言えば恐ろしいですが、いわゆる水軍です。元寇はご存じですよね。二度にわたって日本に攻めてきたあの“蒙古襲来”で、モンゴルと戦った海賊が肥前の松浦党。この松浦党が先祖でございます。
水軍!元寇!?松浦党!!?すごいワードがポンポンでてきた・・・

魚の王、鯛のように端麗優雅で、鳴門海峡の激流で肉質が締まり脂が乗って美味であることから『鳴門鯛』と命名されたとのこと。
前から聞きたかったんですが、入り口にあるモサモサした球体ってなんですか?

たしかによく見る!
これは“杉玉”といって、杉の葉を集めてボール状にしたものです。杉玉を飾ることで、ご近所さんに「今年も新酒ができましたよ」という目印なんです。

触るとけっこう固いね
吊るされたばかりの杉玉は鮮やかな緑ですが、時間が経つと枯れて茶色がかってきます。その色の変化が、新酒の熟成具合を物語っているんです。この杉玉を吊っている長屋門(ながやもん)は有形文化財に指定されているんですよ。

歴史ある長屋門をくぐり抜けて中へ進みます

次に訪れたのは、今なお残る母屋。
200年を超える歴史だけに、
価値ある骨董品が所狭しと並んでいます。
そうなんです、手広くやっていたみたいですね。両替商をやっていた頃の両替天秤や著名な作家の屏風など、歴史好きにはたまらないものが多く眠っています。

続いては貯蔵庫へ
今はほとんどないですが、時期によってはタンクでいっぱいになります。この貯蔵庫は創業した当時に建てたもので、コンクリートを敷くなど修繕はしていますが、ほぼそのままを維持しています。
卓越した技術を持つ宮大工が建てているので、震災時もビクともしませんでしたよ。ただ宮大工自体が減少しているので、ちょっとした手直しも大変ですが・・・。歴史ある建物を次の世代に残し続けることも重要ですね

日本酒に欠かせないビンのことなど、日本酒造りにまつわるお話をたっぷり聞かせていただきました
歴史の勉強はこれくらいにして、そろそろ自慢の日本酒を飲んでもらいましょうか!

直売所『ナルトタイの店』に到着!
日本酒は水と米と米こうじから製造されます。そもそも日本酒と一口にいっても、さまざまな種類があるのは知ってますか?
純米酒とか本醸造酒ってやつですよね? でも詳しいことは分かってないかも・・・。
日本酒は、大きく分けて2種類に分類することができます。製造の過程で醸造アルコールが添加されるものと、されないものですね。そこから、精米歩合によって細かく分かれていきます。こちらの表をご覧ください。
日本酒早見表

あ~!聞いたことがある名前です!でも、けっこうな種類・・・覚えられるかな?
こう見ると難しく思ってしまいますが、要約すると・・・

ふむふむ、純米酒は米と米こうじのみを使用していて旨味重視と・・・

なるほど、醸造アルコールを加えてさっぱりクリアにしているのか。
この“精米歩合”というのは、どういう意味なんですか?
まず、なぜ精米するかをご説明します。精米していない米を玄米と呼びますが、この状態では雑味が多く、甘みも少ないので日本酒作りには向いていないんです。日本酒造りに必要なデンプンは米粒の中心にあり、対して外側部分にはたんぱく質や脂質が多く含まれていて、これらは雑味の元になるとされています。

そこで、日本酒造りにとっては必要のない米の表層部を磨いていくんですね。その割合を“精米歩合”と呼びます。精米歩合が40%と表記されていたら、60%を磨き落としているということですね。

ただ、精米歩合が低ければ低いほどいい日本酒か?となると、そうではないのが日本酒のおもしろいところなんですねぇ。話はここまでにして試飲に移りましょうか!

どーんと自慢のお酒がそろい踏み

思わず見入る3人
まずは、数々の賞を受賞した『ナルトタイ 純米原酒 水ト米』からどうぞ!

おいしいお酒にカンパーイ!

ぐいっと、いただきます

うまぁっ!!
これ、おいしいです!飲みやすくて、かなりフルーティー!
でしょう? 純米酒とは思えないほどフルーティで、スッキリした味わいとさわやかな香りが特長です。後味には、ほんのりとした旨みがただよいます。今まで日本酒を飲まなかった女性や若い皆さんなど、日本酒初心者の方に飲んでいただきたい純米酒です。
ナルトタイ 純米原酒 水ト米 価格:1,250円(720ml)

『鳴門鯛 純米吟醸 雄町』は、日本最古の酒造好適米『雄町』を100%使用した純米吟醸です。フルーツを連想させる華やかで程よく甘い香りが立ち、味わいにはしっかりとした厚みを感じられ、程よい酸味と絶妙に調和しています。

あ~これもおいしいわ
しっかりとした味わいなのに、どこか上品さも感じられる味。本当においしい!
鳴門鯛 純米吟醸 雄町【蔵直限定】 価格:3,300円

そんなこんなで、全部で10種類以上の日本酒を試飲させていただきました
日本酒の勉強もできて、お酒も楽しめて、とても楽しい時間を過ごすことができました!
喜んでいただけてよかったです。鳴門鯛が生まれてから、二百余年。「温故知新」という言葉の重みを感じながら、鳴門鯛を通して、一人でも多くの方に日本酒ならではの素晴らしさ、奥の深さを、お伝えすることができたらと思っております。自慢の日本酒をたっぷり飲んでいただきましたが、お気に入りはございましたか?

僕は『鳴門鯛 純米大吟醸 生原酒 袋搾り』が一番のお気に入り!フランスの大会で金賞を受賞するだけあって、本当においしいです!しかも手間ひまかけた“袋搾り”というのも最高ですね。
鳴門鯛 純米大吟醸 生原酒 袋搾り 価格:4,500円(店頭販売のみ)

僕は『鳴門鯛 純米吟醸 無濾過生原酒[あわいちば山田錦100%]』ですね。僕の地元の市場町で栽培されたお米を使っているというのも愛着を感じますし、もちろん辛口でとてもおいしい!
鳴門鯛 純米吟醸 無濾過生原酒[あわいちば山田錦100%]【蔵直限定】 価格:3.300円

僕は『鳴門鯛 吟醸しぼりたて無濾過生原酒』です!タンクから搾った吟醸酒を濾過せず、そのままアルミ缶に封じたという男らしさがいいですね。度数も高く、ガツンとした味わいがたまらない!
鳴門鯛 吟醸しぼりたて無濾過生原酒(“無濾過”生缶)【蔵直限定】 価格:1,692円

みんなほろ酔い?おいしいお酒と若林さんの知識で、とても楽しい時間過ごせました。
創業200年を超える徳島最古の酒蔵が生み出す日本酒の数々。
そんな日本酒が生まれる場所は、
歴史とこだわりがいっぱい詰まった場所でした。
日本酒好きはもちろん、徳島を愛する人はぜひ訪れてほしい、
そんな素敵な酒蔵へ、ぜひ行ってみてください!

本家松浦酒造の商品は直売所や酒販店、スーパーなどで販売。ネット通販も可能です。もちろん、飲食店でも楽しめますよ。
酒蔵見学
営業時間 |
月〜日 9時〜17時 |
見学所要時間 |
見学、試飲、直売店での購入を含めて約1時間 |
予約制 |
要予約 |
料金 |
無料 |

いっぱいお土産買っちゃいました!帰って飲むぞ~!
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